ねじのカタログ6
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した油で水分を置換してシーリングを行う。ボルトなどねじ部品にこの被膜処理を施すとトルク係数が低下・安定し、ねじ部品の締付け性能を向上させる。鉄鋼の防食被膜として用いられる。犠牲腐食作用によって鉄鋼製品を保護し、大気中、水中、土中あるいは、コンクリート中でも優れた耐食性を示す。また、長期の防食性にもすぐれ維持補修費用がほとんど不要という高い経済性も持っている。めっきのとき溶解金属が素地に拡散して素地金属との合金層をつくり、この上に容着してめっき層が被覆する。このためめっき層と素地との密着性が高く、曲げ、衝撃、摩擦などで剥離するようなことはきわめて少ない。部品のすみずみまでめっきをすることができる。特に電気めっきでは困難な中空部品の内側のめっきも可能。被膜厚さ、形状精度、表面粗さ、外観などは電気めっきに較べ劣るので、鉄鋼製品の防食・防錆だけを目的として用いられる。通常の鉄鋼製部品では、溶融めっきによる機械的性質の変化はほとんど問題にならないが、調質された鋼製品の場合は、調質条件によっては焼き戻し軟化が進行することがあるので注意を要する。(調質とは、通常、焼純し、または焼入れ、焼戻しなどによる鋼の粘靭性を実質的に向上させる操作をいう。)近年、屋外で用いる金属部品では環境の悪化(酸性雨・排気ガス)がはげしく、亜鉛、アルミニウム、合金めっきがこの耐性を期待されて多用されている。溶融亜鉛・溶融アルミニウムめっき(��������,����)説明―�りん酸被膜処理の利用法は、鉄製部品の冷間成型時の金形との焼け付を防止するための潤滑効果を期待する場合と、製品に被膜し、被膜の優れた密着性を利用して塗装下地や防錆油塗布の下地とする場合に大別される。亜鉛などの金属のりん酸塩を主剤とする処理液を(60~90℃)に加熱し鉄製部品を浸漬することで部品の表面をエッチングしながら結晶性のりん酸被膜を生成させる。鋼製部品の防錆には酸化被膜のときと同様、加熱りん酸被膜処理溶融めっき142
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